1.タイにおける日本人はどう変わっているか
今後のタイは、昔と違って実業・居住などが目的の「真面目な日本人」がタイに増えていきそうです。
以前は日本人にもバックパッカーや夜遊び旅行者などが多かったけど、今や彼らの拠点はタイから他国などへ移っていっています。
これからはタイで腰を据えて長期滞在やビジネス、移住を考える人の割合が高まりそうな予感がします。
タイで滞在するハードルが上がり、さらに物価も上がっているので、お遊び的な日本人は小金持ち以上の人を除いて減っていくのではないかと予想します。
代わってタイや東南アジアで事業を始める人や、タイ人と結婚してタイに根ざして生活しようとするなど地に足が付いた人が目立ってくるでしょう。
その中にはフリーランスやノマドなども見られるようになり、今後も増えていくと思います。それに伴って現地での日本人のイメージも少しづつ変わっていく可能性もあります。
2.タイも変わっている
以上の話はもちろん日本人だけでなく、他の外国人の場合も同様です。
ビジネス関係の外国人が増えて、特にバンコクはさらに名実共に見違えるような都市に変貌するかもしれません。
このように長らく懸案だった「不良外国人」を減らして、国家のイメージも改善されていく事にもつながります。
そして、さらにタイは外国人の手を借りつつも発展していくことでしょう。
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ただ、気になることがありまして、将来的にはバンコクの物価が上げ止まらずに日本の各都市を超えるような事が絶対ないとも言い切れません。
そこまでいかなくても、今後もバンコクの物価や所得水準が上がっていくと、職探しのために日本人がバンコクに出稼ぎに行くなんて事が身近になることも考えられます。そのヒントとして例えば、現地の企業に雇用される「現地採用」があります。
<現地採用>
現地の企業に雇用される形態のこと。タイには日系企業が多く進出しているので、日本人の現地スタッフとしての現地採用の需要が高くなっています。収入的には、現地の人々の平均収入の3倍以上の場合が多いので、日本で普通の正社員をするよりはずっと楽に生活できます。
今回の日本の過去最長の景気拡大(いざなぎ景気超え)でも、物価や賃金は殆ど上がらないままですからね。力強い景気回復・物価の上昇とまでは一筋縄ではいかないようです。
<戦後最長の景気拡大>
景気拡大が戦後最長だった2002年2月~2008年2月までの73か月に並んだと言われています。今回は2012年12月~2018年12月で73か月となっている。
3.タイは地理的に有利
一方で、タイは地理的に、成長著しい東南アジアの中心的な位置にあります。
東南アジア各国だけでなく、中国やインドなど将来の2大経済大国の経済圏にもとても近いんですね。
経済的・政治的な戦略を国際的に考える際にも、とても有利な位置にある考えることができます。
しかも、現在のタイは観光に加えて物流に製造にサービス業と産業の幅が縦にも横にもさらに広がっています。
今後も政治的には不安定な部分は見せるでしょうが、経済的には安定的な成長が見込めると思います。
4.タイでは意外な国の人々が増えている
そうした変化をみせていくタイにおける日本人も、そうした変化を見据えて積極的に行動していくことで、新たなチャンスが舞い込んでくる可能性が秘めています。
それはタイ国内におけることかもしれないし、あるいはタイの周辺国、また意外なところで関欧米や中東・アフリカなど距離的に離れた地域に関わることかもしれません。
なにせ、タイには世界中の様々な国・地域から、とても多くの人々が集まってきています。タイは昔からの観光大国と言われる所以の一つでもあります。
今まではアジア以外では欧米どの人が多かった印象ですが、今は中東やアフリカなど新興国や発展途上国と言われる国から訪れる人が増えています。観光からビジネス、居住など目的も様々です。
それだけ順調に発展しているアジアの中でも多くの人が集まり、ビジネスでも観光でも注目度の高いタイでは、おのずとビジネスや仕事のチャンスも見つけやすいと思います。
もちろん、タイを訪れる日本人も年々増えており、2018年には過去最高の160万人となりました。
一方で、日本を訪れるタイ人もどんどん増えており、訪日外国人観光客数としてはすでに6位と年々日本でのタイ人の存在感が高まっています。
日本を訪れるタイ人が増えるということは、日本に興味を持つタイ人が増えるという事にもつながります。タイで暮らしながら、日本を訪れるタイ人や日本に関心の強いタイ人とも接する機会も増えてくると思います。
常にタイの変化や世界の変化、また日本の変化にも常にアンテナを張り巡らせておくことが必要だと思います。
タイなり海外などで長く成功を収める人というのは、そういうタイプの人が多いように感じられます。